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SS・芸能人格付けランカー 3
年度末ですね、こんばんは!
仕事が追いこみMAXで白目ですほんと。なんでこう、夏休みの宿題のような事に・・・。

さてさて。最近はゲーム時間も取ってるせいか、執筆速度は亀ではあるんですが、
一応3話目の更新となっております。
温かいコメントくださったみなさま、本当にありがとうございます^^マイペースでありますが、
ぼちぼちがんばりまーす!!







芸能人格付けランカー 3





怒声が響き渡ったのは、トラジックマーカー、彼の映画が撮影されている都内にあるスタジオの前室である。

「おまえらっ、毎回毎回イチャイチャイチャイチャっ、マジいい加減にしろぉぉぉっ!!」

「今度は一体なんの騒ぎだ?」

前室特有の複数の煙草の臭いが混じり合って残るそこで、怒鳴られた当の本人、カイン・ヒールはけろりとした顔で怒鳴り声の主、村雨泰来を見上げた。

その右肩には妹、雪花・ヒールが腕を絡めてしなだれかかりながらむっちり露出した太ももの上に雑誌を広げており、ある意味、よくその体勢で読書に集中できるな……と驚かされる状態だ。

「お前の事だよ!!毎日毎日、飽きもせず妹とべっとりべったり!鳥糯かっつーの!!」

そんな爛れた雰囲気を醸し出す兄妹に烈火のごとく激怒する主演俳優、村雨にカインはふむと眉根を顰めると珍しく神妙に考え込む素振りを見せる。

「トリモチ?」

「birdlimeの事じゃない?」

ほら、ベタベタしたヤツと言いながら雑誌を取り替えた雪花は、パラパラとページをめくり、これねとネイルがバッチリな指先で写真を指し示して見せた。

「ほう」

「はっ?なんだその本」

「教科書ってとこかしら。気にしないで」

「いやいや、気になるだろ、普通」

ちなみにその冊子のタイトルは罠百選である。
もちろん、なんで罠?そんなのどこに需要があるのと首を傾げた一同だが、一部の男性層にはまさかこの兄妹、SMしてる!?という、いささかお盛んな方面に誤解が進んだ事はあえて置いておこう。

とにもかくにも、冊子を脇に置いた雪花は、カインの腕に自分の胸元を寄せる形でさらに密着度を増した。

「なるほど、birdlimeの事だったのか」

「そこじゃねぇしっ!つか、俺は別にお前が妹とイチャつこうがじゃれつこうが一向に構わねーよ、構わねーけどなっ、でも次のカットは今日一のクライマックスなんだぞ?大事なシーン撮りを控えて、みんな緊張してるんだよ。そんな中で読んでるのが台本じゃなくて音楽雑誌ってどういう事だよ!そろそろいい加減に日本式に空気読みやがれ!」

みなが自主的に台本を再チェックしているのだ、ふざけるなと言いたくなる村雨の主張は最もだが、大人しく空気を読んでしまうのもカイン・ヒールとしてはいかがなものか。
蓮とて心の中では「うーん、ごめんね」と軽く謝りつつも、我が道を突き進む方を優先させた。

「台本なんて一言一句とっくに頭に入っているんだが?」

「……くっ!嫌味か!!」

カインが役者として自分より一段上、ハイスペックな頭脳と感性を搭載している事は、共演者ならば肌で理解せられた現実であり、そんなカインなのだから自身のセリフだけでなく、台本の全てを頭に叩き込んでいるだろうという意味は容易に察せられる。

「あーもうっ、勝手にしやがれーっ!!」


今日も今日とて自由奔放なヒール兄妹のやりように、最後には匙を投げる村雨の声が響く。
キョーコは内心でごめんなさいごめんなさいと頭を下げる。そんなお約束な昼下がりも、残すところ、あと僅かとなっている。




――――――――――――――




日々の時間が流れれば、収録日は予定通りにやってくる。

「おはよう、蓮、キョーコちゃん」

「おはようございます」

「おっ、おはようございますっ」

落ち着いた様子の蓮とは真逆に超ド級に緊張していますという面もちのキョーコ。
本日、二人の面倒をみる事になる社は、関係各所に年末の挨拶に回る関係もあり、二人が衣装に着替え終わった頃に合流となっていた。

「蓮が白系のスーツなのは割と定番の装いだけど、キョーコちゃんは振袖なんだね。さすが正月放送仕様。すっごく可愛いよ」

鮮やかな牡丹があしらわれた薄水色の振袖とあわせてお団子の付け毛でアップにされたキョーコの艶姿を何の気なしに褒め称えたのだが。

「えっ?あっ、すみませんっ、なんでしょうか?!聞いてませんですが!!」

「あー、うん。あれだね、キョーコちゃん、一回深呼吸しとく?」

「はっハヒっ!!」

キョーコのガチガチぶりに困り顔で蓮を見上げると、蓮は何を言ってもさっきからずっとこの状態ですと苦笑した。
なるほど、蓮も一通りの声掛けをして、そしてスルーされ続けているんだなと察した所で、蓮ももう一回トライしておこうと思ったらしい。

「最上さん、そろそろ落ち着かないと」

「はっはいいい!!」

わあ……。これは本当にだめだわと思わずにはいられない上擦り具合。
この状態ではクイズどころか前振りのトークをこなせるかも危うい。

「ああっ!そうよ、ひとひとひとひとひとひとひとひと」

思い出したように手のひらに人の文字を書き連ねるキョーコに、横に立つ蓮がふうと小さく嘆息する。

「ひとひとひとひとひとひとひとひと」

なんだか名前を連呼されてるみたいでヤだなぁと思う社倖一をよそに、唐突に大きな背を丸めた蓮がキョーコの手首を掴み取り、パクリと空で噛みついた。

「えええっ!!!?私のヒトぉぉぉ!!!!」

目を白黒させたキョーコに向かい、笑顔の蓮はキョーコの手首を掴んだまま、にっこりと微笑んだ。

「ごちそうさま」

「なっ!なんっ!?」

「だって、最上さん、さっきからずいぶんたくさんヒトを食べてるよ?そろそろ満腹なんじゃない?」

だから俺にも少し分けて貰おうかなぁってと悪びれなく微笑む蓮にキョーコはいよいよもってパンクしてしまったらしい。

「あぅあうえぇ!!!?社さああああんっ」

「うええ!?そこで俺っ?!いやいや、アー、うん。まあ、仕方ない。キョーコちゃん、がんばれ」

目の前で異様なまでに切羽詰まられれば、蓮が手を出したくなった気持ちも分からんではない。
けれど、キョーコの抱えるプレッシャーとてもちろん理解できる。
ふえあああと悲鳴を上げるキョーコの反応に、社は遠くを見上げ、今、ここに誰も通りかからなきゃいいなぁ。と願うばかりだった。

「ほら、最上さん。ここ見て」

「ふえ?」

顔の前で人差し指を立てた蓮の言葉にキョーコは素直に視線を向ける。
すると、キョーコの意識が向いた事で、蓮は人差し指を右へ、左へ。さらに再び右へと大きく動かしてキョーコの視野を広げるように誘導した。

「あっ……あの……」

ようやく動揺が収まってきたらしいキョーコに蓮がふわりと微笑みを浮かべる。

「ここにいるのは俺と社さんと最上さんだよね」

「はい。そうですね」

「今くらいはリラックスできても良いと思うんだけど、少しは落ち着いたかな?」

「……はっはい、でも、やっぱり不安が……」

だって、私なんかの肩に敦賀さんの四連覇がかかるんですよと呟くキョーコに、蓮はそんな事かとうそぶく。

「そんな事って」

「だって、相手はクイズなんだよ?俺が一問目で間違える可能性だってあるんだし」

「いいえ、敦賀さんは間違えたりしません!」

「いやいや、そこでどうして最上さんが言い切るかな」

「だって敦賀さんですから!」

「いや、最上さん?」

「私、なにがなんでも頑張りますっ頑張りますから!」

「だから、あのね?」

「目指せ一流芸能人っ!目指せ4連覇っ!!やります、やってやりますとも!!!」

「最上さん……」

また完全に聞いてないキョーコの様子に蓮は今度こそ大きな溜め息を吐いた。

「さあ、行きましょうっ!敦賀さんっ!いざ、戦場へっ!!」

「キョーコちゃんっ、スタジオ反対!!」

「やれやれ」

鮮やかな振袖で大和撫子に仕上げられているというのに、討ち入りのタスキとハチマキでも締めていそうな迫力のキョーコを後ろから追いかける蓮は、さてどうしたものかと真剣に考え込んでいたのである。







次回、開幕。

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