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SS・メカクラッシャーの恋ナビゲーション
こんばんは、そやえもんです。
気がつけばキョコ誕に続き、蓮誕もスルーとなりました、七年目でございます。というか、そうか、もう七年経ったのか…。
まったり更新ではありますが、ご来訪下さる皆様、拍手、コメントを下さるみなさま、本当にいつもありがとうございます。
個別にお返事が返せない状況で申し訳ない極みなのですが、頂いたコメントはいつも本当、まだやれる!まだ書きたい!って
気持ちを再確認させていただく機動力になるので、ありがとうございますとこんなところからすみません。
あと、パスワード返信状況についてですが、サイト横にあるツイッターで更新している通り、大変亀レスとなっております。お待たせして、申し訳ありません。

さてさて、最近は本誌続き妄想系や、オフ本サンプル更新ばかりでしたが、ひさしぶりに単発読み物になりました。
本当はキョコ誕にあわせたかったはずが出来なかったので、蓮誕更新でと思ってたんですが、それすらぶっちぎったので、普通にアップします(笑)
そうそう!今日本誌フラゲってたんですけど、もうほんと、もうほんと、続き、続きぃぃとなってます。
社さんってかっこいいなぁ・・・。というのがここ最近続いているのでタイトルからお察しのこのお話でございます。
追記より、どぞー。







メカクラッシャーの恋ナビゲーション





この世に生を受け、かれこれ二十数年。
目まぐるしく変化を続ける現代社会において、自分が致命的な欠陥を持って生まれていた事に気付いたのはいくつの時だっただろうか。

数多の屍を築いた果てに、決して触れてはいけない相手なのだと気付かされ、そして、初めてその不可侵の存在に触れる方法を見つけ出した瞬間は、筆舌に尽くしがたいほどの喜びを感じた事を覚えている。

例えそれが薄い被膜越しに叶った事だったとしても、この上ない喜びであり、そしてそれは少しばかり形を変え、今現在も続いている――。


――――――――――――――


事務所を歩くキョーコが、廊下にあるソファーベンチに腰掛け、一人で何事かを呟いている社を見かけたのは、ある朝早くの事だった。

「うーんっ、これかな、いや、こっちも有りか。よし、とりあえず一旦キープしとこ。しかし、カラー展開もこんだけあるなら迷うなぁ」

通りがかりとはいえ、無視をするのもはばかられる。キョーコは少し迷ったものの、声をかける事を選んだ。

「社さん、お疲れ様です。今日は早いんですね」

「ん? あれ、キョーコちゃんじゃない、おはよう。キョーコちゃんこそ早いんだね」

今から新幹線なのでチケットを貰いに来ていたんですと答えたキョーコに対し、社もこれから県外への移動の為、蓮と待ち合わせているのだと言って作業をしていた手帳型のタブレット端末を閉じて立ち上がる。
社がこういった最先端の電子機器を持っているというのはどうにも珍しい。
思わずそれに着目してしまったキョーコだが、同時に人様の持ち物を凝視するのは失礼な事だ……と、生来の行儀の良さから慌てて視線を外した。

「すみません、なんだかお仕事のお邪魔をしちゃいましたよね」

「いやいや、仕事と言ってもちょっとしたプレゼント関係の候補をなんとなーく検索してただけだから」

「そうなんですか?」

それにしてはとても楽しそうに端末を眺めていたようにも思う。
けれども、本当にたいした事はしてなかったんだよと言いながら薄いゴム手袋を外した社は、コイツが使えるようになってからはなんでも作業が早く済んで助かってるんだよねとにこやかにタブレット端末を評した。

「あれ?でもそれって手袋越しでも使えるものなんですか?」

未だに液晶端末を使った経験のないキョーコは、最近の機械はすごいんですねと素直な感嘆を零すが、そんなキョーコに対し、社は意味あり気にふっふっふと不敵に笑う。

「俺にスマフォが使えるようになったのにはね、理由があるんだ」

「理由……ですか?」

「そう、コイツなんだけどね」

じゃーんと差し出されたまるでクレヨンのような形をした銀色の棒の正体が分からず、パチクリと瞬いたキョーコに、社がこれはタッチペンなんだよと解説する。

「ついこの間、手袋とタッチペンを組み合わせて使ったら、壊さず使えるって事を発見してねぇ。俺もやっと重たいカタログを持ち歩く日々とおさらば出来たって訳」

「なるほど。社さん的大革命が起きたって事ですね」

「そういうこと」

どおりで社から嬉しそうな雰囲気が滲み出ていた訳である。
それはおめでとうございますと微笑むキョーコは、はたと思い直して問いかけた。

「でも、プレゼントをお探しだったという事はどなたかに差し上げるご予定があったんじゃないですか?」

日にちが決まっているならば、それはやはり急ぐべき事柄で、自分は邪魔をしたのではないだろうか。

「ああ、ううん。特定の誰かに贈るって決まってる訳じゃないんだよ。現場で誕生日が近い人間がいる場合はやっぱりそれなりの物を渡した方がなにかと人間関係が円滑に行くものだからね。その辺りの下調べとか、物品のピックアップは俺の仕事の範疇なんだ」

「へえー、そうなんですか。マネージャーさんのお仕事って本当に気の遣い方が繊細ですね」

つまり、一般的に敦賀蓮の名前で手渡される誕生日プレゼントには社の手が入っているという事だ。
なんだか聞いてはいけなかったスターの裏事情を聞いてしまったと後悔するのと同時に、もしかしたらという小さな疑念が脳裏をよぎる。

ひょっとすると、自分の誕生日も同じ扱いになるのではないだろうか……。
それは悲しいかな、あり得る可能性だとキョーコには思えた。
もちろん、心のどこかで自分は特別扱いをしてもらえる立ち位置にいるのではないかという自負も少なからずあるにはある。
けれど同時に、今までの自分はたまたま接点が多かっただけの事なのだと思い至ってしまい、実はなんの確約もない関係性だという現実に冷や水を浴びせられたような気分だ。

いやいや、でもでも。
不安が渦巻く思考の迷宮は果てしなく、まるで洗濯機の中で回り続ける衣類にでもなったようだ。

「あっ!」

「はいぃっ!?」

唐突な社の声にびくりと肩を震わせて驚くと、社は社で大声出してごめんねと苦笑混じりに詫び、カリカリと頭を掻きながら言葉を選ぶ素振りを見せた。

「ええとね、親しい人間のプレゼントなら、もちろん蓮は自分で好きに選んでくるし、俺なんかが確認入れるまでもなく日にちだって自分でちゃーんと覚えてる。だからつまり、キョーコちゃんへのプレゼントには、俺、一切関与してないからね」

「……えっ……あ…………はい、ありがとうございます」

キョーコに芽生えていた不安がズバリと見透かされ、さらにはそれを即座に否定してみせる社の思慮深さに思わずポカンとさせられたキョーコだが、目を丸々と見開いた後、あとを追いかけるように込み上げてきた安堵からゆるゆると頬が緩む。
そんなキョーコの反応に、社は理解力溢れる年長者らしく、メガネの奥で優しく笑み返した。

社が言うならば『そう』なのだろうという説得力は大きい。
が。そこではたと正気にかえったキョーコが慌てた。
これでは蓮からのプレゼントが欲しいと思っている本心がまるっと暴かれたようなものだ。

「べっ、別に社さんが選んで下さる事にがっかりするとかそんなんじゃないんですよ!?そもそも私ごときが敦賀さんからプレゼントを頂けるなんて考える事自体が本来おこがましい話ですしっ」

社の洞察力は鋭い。ともすればキョーコの中にある蓮への恋心が看破されかねないと危惧するほどに。
だからこそ、なんとしても誤魔化しておかなくてはという一心で弾丸のように思いつく理由を一息でまくし立てたキョーコは、ぜぇぜぇと肩で息をつく。

「いやいや、キョーコちゃんは十分すぎるほど圏内なんだからそこは期待してやってよ」

「圏内っ!?私ですよ!?」

「いやいや、俺、そんなに驚くような事言ったかな」

えっ?そこから疑うの?と逆に目を丸くするはめになった社が力強くズバリ圏内だよと肯定するが、キョーコはそんな馬鹿なと頑なに認めようとはしない。
すると、そんなキョーコを相手に即座に攻め口を変えてみせるあたり、社の敏腕ぶりの一端が垣間見える。

「というかね。そもそも、俺はキョーコちゃんの誕生日は蓮がパーティー会場で花を手渡してるの見かけて初めて知ったくらいなんだよ?」

「えっ、あっ、そうだったんですか」

「そう。キョーコちゃんの誕生日を真っ先にチェックしてたのは蓮なんだよ。だから今年も期待してやって?」

ハッピーグレイトフルパーティーでの蓮の行動を例に上げ、自分は関わってはいないと念を押すように語る社の気遣いにキョーコは頭が下がる思いだった。
それが真実であったとしても普通ここまでの配慮が出来るだろうか。マネージャーとはここまで担当タレントを第一に立てるものなのか、と、そのプロフェッショナル精神には尊敬と感動すら覚える。

ただし、話がここで終わったならば……だ。

「俺が知る限り、蓮が手の込んだ誕生日プレゼントを自発的に用意してた女の子ってマリアちゃんの他はキョーコちゃんだけなんだよねぇ」

「ごほっ!!」

唐突に披露された裏話はとても心臓に悪い。
動揺から思わず咳き込んでしまったキョーコだったが、幸いな事にちょうど社の携帯電話が内ポケットで振動した為に深く追求される羽目には陥らなかった。

動揺のあまり耳まで熱くなったがなんとか目撃されずに済み、危ない危ないと小さく息を吐き出したキョーコの隣でどうやら通信アプリでの連絡を受け取ったらしい社はタッチペンで端末を操作をしている。

「おっ、蓮のヤツ、もうすぐ着くみたいだな」

約束より早いじゃないかと笑った社に、キョーコはそれでは私はここで失礼しますという挨拶をしたキョーコだが、きょとんとした社は「なんで?」と一言言った。

「えっ?」

「新幹線のチケットはもう貰ってるんだよね?だったら一緒に駅に行けばいいじゃない」

俺たちもちょうど新幹線だからさとにっこり微笑まれてしまえばキョーコは「はあ」と流されるまま頷くよりない。

「ねぇ、キョーコちゃん」

「は……はい?」

社の笑顔での名指しにギクリとさせられるのは、キョーコの側に隠し事をしている自覚があるからだろう。

「俺、前もって蓮のスケジュール流すから、ちゃんと直接貰えるようにタイミングあわせようね」

「えっ……?」

まるで協力的な申し出だが、そこにはどうにも無視のできない気遣いが含まれている気がして冷や汗がダラリと流れて落ちた。

「あ、あのっ、違いますよ!?ごっ、誤解ですよ!?」

「おっ、蓮着いたって、行くよ、キョーコちゃん」

「やっ、社さぁあん!?待ってくださいぃっ、誤解ですからっ」

社には恐ろしく見透かされている予感がして、何がとも誰がとも言えない。

「誤解ですからねーっ!」

ただ、後を追いかけるキョーコは、社の中にあるのだろう何かに向かって必死に否定を続けたのであった。






社氏、キョーコちゃんにカマをかける。の巻。

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