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SS・ジョーカー・タイフーン
お久しぶりです、こんにちは^^
いろいろとバタバタしていたらなんか四月が終わってました衝撃。
すっかり更新もご無沙汰なんですが、通販だったり、パスワードだったり、拍手だったり、ツイッターだったり、いろんなところでコメント、来訪くださるみなさま、本当にありがとうございます。まだまだがんばりたいっていう活力を頂いております。

そうそう、四月の終わりに突発で横浜飛んで、原画展にいってきましたよ!!
ストロボ焚かなければ撮影OKということで、真剣にカメラをかまえ、肉眼に刻みってことで、三時間ぐらい原画の前に居たんですが、
仲村先生の絵は本当に心が洗われますねぇ・・・
以前の秋葉原の原画展も一日居たりしたんですけど、ほんと、楽しかった・・・・・。ほう。

そんなこんなで、今回のは某じゃにーずさんのVSあらし的なネタを書きたいって何年(笑)か前に発言しておいてけぼりにしてたんですが、改めて思い返して書いてみました。
元の番組構成のネタがあるものなので、物足りないかもしれませんが、お楽しみ頂ければ幸いです。
という、久しぶりの更新でございました!^^
ではでは、続きよりどぞー







ジョーカー・タイフーン







「次はこの仕事受けたから」

そんな気軽な一言で社から知らされた仕事の内容に、笑顔で分かりましたと返しつつも、裏でそっとネット検索をかける。これが純日本育ちではない蓮が遭遇せざるを得ない、文化の違いによる問題が起きた時の解決法だ。


「…………ババ抜きってカードゲームだったのか……」

例によってこっそりとウキペディアによる解説を読み終えた蓮は、考え込みながらも用は済んだとばかりに携帯電話で繋げていたネットを落とすと静かに唸る。

「うーん、ポーカーなら問題ないんだけど。これは参ったな……」

しかしポーカーすらもクオン・ヒズリだった頃の経験であり、敦賀蓮となってからはそもそもトランプに触れた記憶がない。

「んー……」

事前練習をしようにも一人ではカードを切る行為くらいしか上達しそうになく、そもそもカードの扱いは得意な部類なので自主トレに励む意義はあまり見いだせない。

「でも、ここはやっぱりお願いしようかな、彼女に」

けれど、意義がないならば意味を作ればいい。
こじつけになるだろうけれどまあいいか、と、近頃開き直り気味の蓮はおもむろに携帯電話を取り出すと、最近登録したばかりのメールアドレスを呼び出した。

長い指先で文面を綴り、顔文字を使い、今回の誘い文句はどうしようかと悩みながら絵文字も入れる。
あれこれ候補を選んだ後、今度は絵文字の多用がすぎるのはよくないなとバランスを考慮して足し引きを重ねていく。
こうして完成を見たメールにより、蓮の自宅への呼び出しを受けたのは、本日はたまたまピンクつなぎを着ていなかったラブミー部員なのである。


――――――――――――――

部屋に着くなり真新しいセロハンのかかった新品のトランプを手渡されたキョーコは、パチパチとまばたきをして蓮を見上げた。

「ババ抜きの特訓……ですか?」

この場合『ババ抜きをたった二人でやるんですか?』という意味合いが含まれてはいたが、蓮はそれを的確に理解しつつも柔和に微笑んで頷く。

「そう、実は今度呼ばれたバラエティーでババ抜きの大会があるんだけど、トランプなんてかなり久しぶりの事だから少し練習しておきたいんだ」

「ああ、ジョーカータイフーンですよね」

「うん。最上さん、よく知ってるね。普段見てるの?」

ババ抜きというキーワードで番組名を当てたキョーコに賛辞を送るが、そもそもババ抜きを番組として放映する局などかなり限られるので誉めるほどの事でもない。

「何回かあります。アイドルグループのタイフーンさんがゴールデンでされてる番組ですよね?ジョーカータイフーンは特番限定の企画だったかと」

「そうそう。昔、通常枠のゲームでプラスワンゲストに出た事はあるんだけど、特番の方で呼ばれるのは今回が初めてなんだ」

「そうなんですね。あの、実は私も次のジョーカータイフーンにはオファー頂いてるんです。ご一緒できますね」

「えっ、そうなの?」

「はい!ですから私にとっても良い練習になりますので、是非よろしくお願いします。ふふふ、ババ抜きなんて何年ぶりかな」

思わぬ所で発覚した共演の予定に、蓮の笑みは一層深くなった。
次に会える日取りが労せずして決まってくれるのはありがたい。
思えば、出演を決めたと報告する社の顔は緩んでいたような気もするので、知っていてあえて言わなかったのだろう。

「なるほど。ということは今日、俺が最上さんの弱点を見つける事が出来れば、本番で確実に勝てるようになるよね」

「ええっ!いやいや、待って下さい、それはこっちのセリフですよ!」

私が敦賀さんの癖を見破って勝っちゃったらどうするんですかと息巻くキョーコに、蓮はクスリと意味ありげに笑った。

「いいや。素直に出演予定がある事を俺に話してしまった時点で、最上さんに他人を出し抜く形の勝負事は向いていないね」

「ハッ!しまったっ」

ババ抜きは相手を騙してなんぼのゲーム。本気で勝ちにいくつもりなら、当日まで出演予定は明かさず練習に参加するべきだったと気付かされたキョーコがほぞを咬んでいると、蓮がじゃあ、そろそろやろうかと先を促す。

「ぐぅっ負けませんよぉぉーっ」

「お手柔らかにね」

互いに意気込んだ所で真剣勝負の火蓋が落とされる。
……とはいえこれはたった二人でのババ抜き大会だ。
ビニルから開封された真新しいトランプ札は当然ながら開始を待たずしてみるみるうちにペアとなり減っていく。

「…………最初はじゃんけんスタートにします?」

「そうだね。じゃんけんにしようか」

こうなると、お互いに開始手札は五枚を切るというありさまで、一番枚数の多い人から時計周りにといった番組公式ルールもこの状態では意味がない。
さらに言えば、キョーコの手札が四枚、蓮の手札は五枚。この状況ではジョーカーの持ち主は蓮。すでに明確なのだ。

それでも最初はグーとじゃんけんをすると、ここでも女神はキョーコに微笑んだ。

「じゃあはい。最上さんから引いて?」

「はいっ、では失礼しますっ」

扇形に並ぶトランプのどれがジョーカーだろうか。キョーコがゴクリと喉を鳴らし、カードのすぐ上を指先がうろうろとさまよう。

「どこからでもどうぞ」

「ううっ」


散々あちこちのカードの上でためらいを見せながら、チラチラと蓮の表情を窺い見るが、蓮は笑顔のままで微細な動きも起こらない。
じぃぃぃぃ。今度はしつこいくらいじっと瞳を凝らすが、やはり蓮の表情は全く揺るぐ気配がない。

ひょっとしなくても自分はかなり不利な勝負をしているのではないか。

一、二、三、四、五。それぞれのカード、一枚一枚に見定める時間をたっぷりかけ、注意深く観察を続けたキョーコだが、こうなったら頼りになるのは自分の勘しかない。と、まずは真ん中のカードに狙いを定めた。

「…………っ……やった!」

引いたカードはハートの8。
二人でのババ抜きの場合、ジョーカー以外のカードを引いたなら、必ず手札は減っていく。
キョーコ二枚、蓮四枚。次の蓮はキョーコがババを持っていない以上、何を引いてもペアが成立するので、キョーコの番にはジョーカーとあがり札による二択の完成だ。


――――つまり。


「敦賀さん、さっきからちょっとずるくないですかっ」

「そう?特になにかしたつもりはないんだけど」

「いやいやっ、さっきから私の顔色の見すぎですからっ。もう少しさくさく選んでくださいよぅ」

「ん?でも最上さんもさっきは結構俺の顔色窺ってたよね?」

「全く分かりませんでしたけどねっ!」

そう。だからキョーコは引いたのだ。二分の一の確率でジョーカーを。

「そこはお互い役者なんだし、お互い様なんじゃないかな?」

「ぐうぅぅっ、でも、そこまでじっとご覧になる事はないじゃないですかっ。そんなに見られていると、緊張してまばたきだって出来ませんよ」

「いやいや、真剣にやらないと特訓の意味がないだろう?というか、まばたきはして?」

「それはそうなんですけどーっ」

キョーコとしては、ひっそり恋心を抱いている蓮を相手に二人きりとなっている状況からも胸の高鳴りを意識せざるを得ないというのに、その当人に至近距離からじっと見つめられてなおかつ平静を保たねばならないというのは相当な苦行だ。
赤面ひとつしないように必死に踏みとどまっている自分の精神力を自画自賛しながらキョーコはそろそろ選んでくださいと二枚のカードを突き出した。

「っと、じゃあこっちにしようかな」

「っ」

「いや、こっちかな……?」

「つうぅっ」

かまをかけるように一枚一枚に指をかけてはじっと覗き込んでくる蓮の眼差しに、いよいよ音を上げそうな面持ちのキョーコだが、これまた限界寸前で蓮はカードを一枚引いていった。

「ああ、また帰ってきちゃった」

「ふぅう……」

蓮と二択の攻防を始めてかれこれ何度目のジョーカーの移動であろうか。
お互い、表情にフェイクを織り交ぜ始めた事は察しているが、存外白熱した戦いとなっている。

「よし。最上さんは今度はどっちを選ぶ?」

「っっっ、どうしようかな……うううこっち……」

「そっちで本当に後悔しない?」

「うっ……じゃあ……」

「本当にそっちで大丈夫かな?」

「もーっ!どっちもどっちなんじゃないですかーっ」

「あはは。そういうゲームだから」

「くっ、もう敦賀さんの口車には乗りませんっ、こっちにします!!……って、またジョーカーだしっ!」

「あはは、やった」

「くうううっ!騙しましたねーっ!こうなったら私だって!!」

「よし。今度こそ勝利は俺が頂くよ」

「それはどうでしょうかっ!いざ、勝負ですっ!」


じっと見つめ合って互いを探り合う二人の攻防は、この後、さらに10回を越えるジョーカーの引き合いへと発展していくのであった――。



――――――――――――――


例えばもし、二人の特訓の光景を社が見ていたとしたならば、「その特訓の効果のほどは謎だけど、なんだかんだで楽しそうだからやらせておこう」だろうし、奏江が見ていたならば「やっぱり敦賀さんはあの娘の事を……まあ、いいか。私には関係ないし」で終わった事だろう。

(……ううっ、どうしてこんな事に)
(おかしい。あれだけ練習したのに)

二人の思いとは裏腹に、けれども、特訓の内容が内容だけに当然ながら、特訓の成果が実る事はない。
番組の収録は佳境。ジョーカータイフーン、最弱王決勝戦へと進んだ所である。

『Aブロック代表は石橋光さん。Bブロック代表は敦賀蓮さん。Cブロック代表は京子さん。そしてシード席は我らが最弱王の秋葉。以上予選通過者四名による決勝戦となりまーすっ』

白と黒の市松模様で構成された特設ブース。かの地において、それぞれが司会者に名前を読み上げられるタイミングでカメラに向かって礼をする。
さあ意気込みはいかがですかと聞かれた二人は、心底解せぬといった表情でなぜババ抜き最弱決勝戦まで勝ち上がってしまったのだろうと首をひねった。

『実は、今回のゲスト参加者の中で事前に練習をしてきたと答えたのは敦賀さんと京子さん5お二人だけだったんですが、なんとそのお二人が揃って決勝戦進出というなんとも皮肉な結果となっているんですね』

「そうなんですか?まいったな。最弱王だけは遠慮したいんですが」

蓮が苦笑まじりに現最弱王の着ている最弱という特大刺繍入りジャケットを、チラリと見る。

「敦賀さん、着れなさそうですよね、サイズ的に」

「多分肩が入らないね。京子ちゃん着る?」

「いえっ、全力でご遠慮しますっ!きっと視聴者のみなさんが期待しているのは私じゃありませんからっ」

最弱王になれば必然的に次回開催の参加は確定だ。
ただ、その登場に必須となる衣装が極めてダサい訳だが。

「じゃあここは現国王に続投して頂くという方向で」

「ですね!」

息のあった蓮とキョーコの掛け合いに、最弱王の秋葉が国王じゃないしっ!っていうか俺だって最弱王は返上したいんだよ!これでもし最弱王が敦賀くんになったらジャケット作り直させてでも着せるからね!!と声を大にし、スタジオ内に大きな笑いを誘う。

『それでは、ゲームをスタートしてください』

パーンというスタート音と同時に決勝戦の火蓋は切って落とされた。









最弱の王となる人物はだれにしても問題が起こりそうなので、そっとあなたの心のなかでお願いします(笑)







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