スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

SS・蛹が蝶に孵るまで。10
こんばんみー。こんばんはー。こんばんはー。

予想外な突っ込みを頂いて、ちょっとアタフタしてます、そーやです。
とりあえず・・・考えても分からん時は何も考えないで妄想するに限る・・・。

蛹が今ちょっとシリアス?みたいな展開ですけれども、キョコたんを私的にどどーんと
大きくしたくて書き始めた作品で、一応、予定通りかいてるので、もうちょっと頑張ってください←お前が頑張れ。
ゴールは蓮なんですが、今回は、某方のターンです。

さてさて、今からちょっと絵を描いたり、拍手お返事に潜ります!



追記よりどぞー。

―――――――――――――

蛹が蝶に孵るまで。10

―――――――――――――





蓮と社がLMEに帰還した時には、辺りはすっかり暗闇に覆われており、空には星々が煌めいていた。


翌日のスケジュールを確認すれば本日の二人仕事は終わり。
駐車場に車を止めて、彼らは定時を過ぎ、職員も少なくなった社内を歩く。
やれやれと零していた社が運転していた蓮に労りの声をかけたのだが、その視界の中に、ベンチに腰掛ける少女が入った為、社は蓮を促した。

「蓮、あれ、マリアちゃんじゃないか?」

社の言葉に蓮が視線を向ければ、それは確かに宝田マリアだった。

「こんな時間に…一人で?」

怪訝な顔をして蓮はマリアへと歩みよった。

「こんばんは、マリアちゃん、もう遅い時間なのに、こんな所でどうしたの?」

蓮の言葉にマリアが顔を上げた、そしてそのマリアを見た瞬間、蓮と社は言葉を失った。

「……ひっく…ふっ………れ…んさ…ま……」

「マリアちゃん?」

マリアの顔は涙でボロボロだった。そして、その様子に固まる蓮の胸元にマリアは飛び込み、蓮はマリアを宥める為に背中を優しく撫でる。

「一体どうしたの?」

「…っつ…連れて…いって…下…さい……」

マリアは溢れる涙、止まらない嗚咽を懸命に堪えながら、蓮へ伝えようと言葉を発する。

「連れて行くって…一体どこへ?」

マリアの異常な様子に蓮は嫌な予感が胸中によぎる。

「……ふ…っく…病…院……です…」

「病院…って…」

隣の社も不安気な顔を浮かべてマリアの言葉を聞き漏らすまいと耳を傾けている。

「………おねえ…さま…が………」



マリアの言葉に蓮は世界が真っ暗になったような衝撃を覚えた・・・。



――――――――――――――


キョーコがその目をあけた時、まず視界に飛び込んできたのは真っ白な壁と蛍光灯とカーテンレールだった。

「……こ…こ………どこ…?」

「きょ、京子さん?!気がついたの!!?」

次に覗き込んで来たのは天宮千織。

「私……一体…」

「君は階段から落ちたんだよ、最上くん。気分はどうだい?」

「……社長…さん…?」

「君が無事で良かった…」

ローリィが優しい目でキョーコの視線を受ける。

「あ…私…突き飛ばされたんですよね。」

「そうよ、でも犯人はもう捕まったから心配は無いから…」

千織の言葉にキョーコは安堵の表情を浮かべた。

「なら…良かった…」

「監督の安南(あんな)くんは今、丸山さんの方についていて、事後処理は椹にあたらせている、君は心配せずに休みなさい。」

「えっと…私はどうなったんでしょうか…?」

キョーコは現状の自分が一体どうなっているのか、それを問う。

「君が階段から落ちる時、とっさに頭を庇って落ちた事と、踊り場までの高さがそう無かった事で、怪我は背中の打ち身程度で済んでいるよ、念の為に今夜は入院して、明日CTとMRI検査を受ければ退院できる。」

「そ…それじゃあ明日の撮影が…」

「監督が1日、2日で済むなら撮影に問題ないからしっかり静養して下さい、って事よ?」

千織が答え、ローリィが頷く。

「今夜はとにかく休みなさい。」

「私…すっかりご迷惑を……すみません…」

「君のせいじゃない、これは運が悪かったとしか言えない。」

「はい……。」

ローリィはキョーコを気遣うが、ローリィには告げておかなければならない事があった。


「最上くん……君に言っておかなくてはならない事がある。」

「はい…なんでしょうか?」

「あ!!私は看護師さんに、京子さんが気づいた事を伝えて来ますね。」

神妙な面もちのローリィに気をきかせた千織は、そっと病室を出て行った。



「今回、事件に発展してしまい、君が意識を失って病院に運ばれた事は一般人の目もあった為に、隠しようが無い。」

「はい。」

「連絡を受けた当初は命に関わる可能性もあると判断したので、君が病院に運ばれた事はお母さんに連絡させてもらった。」

「………そうですか……。」

キョーコはその言葉に諦めにも似た、複雑な表情を浮かべた。

「君のお母さんは…」

「『社長にお任せします』でしょうか?」

キョーコはローリィの言葉よりも先に母の言ったであろう台詞を口にする。

「…ああ…そう言っておられた、お仕事が立て込んでいて、こちらには来られないそうだ。」

「気を…使って頂かなくても大丈夫です、あの人が私の為に動くはずがありませんから。」

慣れてますから、大丈夫ですと言うキョーコの顔は、以前母親の話題をした時同様にとても辛そうで、ローリィはこれ以上踏み込むべきかを逡巡する。
けれど、今この時を逃せば、キョーコの本音は聞けない気がしたローリィは、更にキョーコに問うた。

「君が"愛"を失ったのはお母さんが原因かね?」

もっと言葉を選ぶべきかとも思わなくもなかったが、他に相応しい言葉も思いつかなかった。
この質問はどう尋ねようともキョーコの傷口を抉る自覚はある。

「始まりは…そうかもしれません…」

「…そうか…」

ローリィが表情を曇らせ、言葉に詰まった時、キョーコが続けた。

「でも社長、私…此処に来たおかげで、好きな人は沢山出来たんですよ?」

「そう…なのかね?」

「だるま屋のご夫婦、椹さん、マリアちゃん、琴南さん、社長、社さん、先生、それに………」

「それに?」

「それに…私…敦賀さんが好きなんです。だから、そんなに悲しい顔をなさらないで下さい。私は大丈夫ですから。」

大丈夫と口に出しているが、やはりキョーコの瞳はどこか悲しそうで、ローリィはそれ以上の問いは出来なかった。

「一方通行の思いでも誰かを好きだと思う事に幸せを感じる事は分かりました、だから、私は大丈夫なんです。」

そう言ってはにかむように笑ったキョーコにローリィは驚いた。
いつの間にこんなに誰かを慈しむような優しい笑顔で笑えるようになったのか…

けれど、キョーコの言葉はローリィには『愛する気持ちは手に入れたが、だからと言って、愛されたいとは願わない。』と言っているように聞こえた………。



――――――――――――――


ローリィが事務所に戻る為に病院のエントランスを歩いていると、前方から社と蓮、そして蓮の腕の中にマリアが収まっており、三人はこちらに気づいて歩いてきた。

「社長、最上さんの容態はどうなんですか!?」

蓮は開口一番に問う。

「おじいさま…」

「大丈夫だよ、マリア。最上くんは意識も回復しているし、怪我もたいした事は無かったから。」

ローリィの言葉に皆が詰めていた息をほっと吐いた。
目を赤く腫らした孫娘の頭を優しく撫でたローリィは、マリアを抱き上げる蓮に視線を合わせた。

「蓮、俺は今から事後処理の報告を待たなきゃならん、すまんが…」

「マリアちゃんの事でしたらきちんと俺が送りますから大丈夫ですよ。」

「頼む………それからな、蓮。」

「はい?」

「今回の件で最上くんに『しばらく家にくるか?』と聞いたんだが…」

ローリィの言葉に蓮の目が僅かに瞠目した。

「迷惑でないならもう少しお前の所にいたい、と彼女は言ってたぞ。」

「…そう…ですか。」

蓮はほっとしたように笑顔を浮かべた。

「そう大事にはならなかったから、記者に張り付かれる事は無いだろうから、このままお前んとこに預けるが・・・」

「何か問題が…?」

「・・・忘れんなよ、最上くんは自分の意志でお前んとこにいるんだって事。」

「…??…分かりました。」



蓮はローリィの言葉の意味考えるように眉根をよせ、その様子で満足したらしいローリィは、そのまま蓮達と別れ、秘書の待つ車に乗り込んだ。




「使われますか?」

褐色の肌の秘書がローリィへと差し出したのは携帯電話。

「用意がいいな。」

それを受け取りローリィは電話をかける。

「全く、世話のやけるガキ共め……。」

ローリィは誰にでもなくひとりごちた…。



Rururururur…………




『………hallo……』

コール音を鳴らし続ければ、しばらくして不機嫌な声が電話口へと現れた。


「朝早くに悪ぃな」

『……ボス…?今何時だと思って…』

電話相手は剣呑な声を上げて答える。

「そう言うな…お前の娘の一大事なんだ。」

『…なに……???』



電話の向こうで飛び起きた男の気配にローリィは声を殺して笑った。


――――――――――――――


ここでまさかと言われそうですが、
ローリィのターンでございました。
・・・需要なさそうだ(笑)
もっと突っ込まれるのは電話相手ですかね(笑)
あきらかにアノ人ですけど。。。
スポンサーサイト

コメントの投稿

 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバック URL

Copyright © 光の箱庭. all rights reserved.