スキップ/ビート二次創作のブログ。 二次創作に理解の無い方の閲覧はご遠慮下さい。初訪問の方ははじめまして記事を御一読ください

SS・その頬に唇をよせて。(再録)
R★K12ヶ月計画さまへ 三月分拍手一本献上していたのですが、4/1以降ならサイト掲載してもOKということで、再録いたしました。

もうちょっとしてから思い出した頃に再録しようかなぁと思ってたんですが、自分的にホワーってなったので、今このタイミングで再録してみました。
あと、予約投稿を試してみたかっただけ、っていう。←

いつもと違って蓮視点で書いたんですが、これまた酷い出来だったのですよ・・・訂正の嵐で(苦笑)
主催者さまSには本当にご迷惑をおかけしました・・・。でも良い経験をさせていただきました!ありがとうございましたですvv

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その頬に唇をよせて。

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その日、仕事の合間を縫って君の姿を探しに事務所へと来てみれば
君は、何やら難しい顔をして台本と睨み合っていた。

ねぇ、なんでそんな顔をしているの?

「おはよう、最上さん?どうしたの?」
「あ、敦賀さん、お疲れ様です。」

俺の方を見て笑顔を浮かべる君、でもさっきまでの難しい顔の訳は…何?

「難しい顔をしてるね、なにか悩み事?」
「あ…いえ…その…。」
「話してごらん?」

君を悩ませる元を知ることが出来れば、君に何か手を貸す事ができるかもしれない。
一緒に過ごす理由ができるかもしれない。
浅ましい下心だって分かってるけど、1日でも1時間でも10分でもいい、
少しでいいから君のそばに…いたい。

「敦賀さんはビストロSに出演された事、ありましたよね?」

君の問いに、自分の記憶をたぐる。

「ああ、何回かあるね」

アイドルユニットがMCを務める番組のコーナーの一つ、番宣を兼ねて何回か出た事がある。
ユニットの彼らが2チームに分かれて料理対決、ゲストがより美味しかった方を選んで、
勝利チームに賞品をプレゼントするコーナー………だけど…あの番組は…。

「BOX"R"の番宣の為に丸山さんと二人でゲスト出演するんですが、
料理を判定して、勝利チームに…その…」


彼女が言いよどむ先…、
それは、男がゲストなら自分がチョイスした賞品のプレゼント、女性がゲストなら…


「頬にキス…しないといけない訳だね。」
「は…はい…。丸山さんと二人で挟んで同時に頬へキスをするように、となってます。」
「女性の場合はそれがあの番組の慣例だからね、感謝の気持ちを…っていう。」
「私もあの番組は時々見かけますから知っていますけど、まさか自分が出演する事になるなんて思ってなかったので…その…」
「最上さんは"キスしたこと"ないんだったね。」
「はい…"キスされたこと"だって、そんな物好きは後にも先にも敦賀さんだけですから…」

不破との事が君の中でカウントされていない…それが嬉しかった。
後にも先にもって…これから先は俺にくれるって解釈しちゃうよ?いいの?


「う~ん、だったらいきなり本番はちょっと大変…かもね。」
「えぇぇ!?何か問題があるんでしょうか?」
「だって、初めてだと加減が分からないだろう?緊張して歯をぶつけたりなんかしたら、
相手はアイドルだし、撮り直しになったら丸山さん?だって困るんじゃない?」
「あああ!!!確かにその通りですね!」

俺が至極真面目な顔で言っただけで君はすんなり信じてしまう。
素直さは君の美徳だけど…狸の巣窟みたいなこの芸能界で、
いつか騙される日が来るんじゃないかって心配で仕方ないよ…。

「まあ、2、3回練習すれば大丈夫じゃないかな?」
「れ…練習…ってどうすれば…」
「ここに1人、あと30分なら時間がとれる役者がいるんだけど?」
「つ…つ…敦賀さんの頬をお借りするって事ですか!?」

わあ…すごく真っ赤、本当に可愛いな。
でも、これなら…もう一押しか?

「壁相手に練習しても仕方ないし、仮にも役者が素人相手にしちゃ駄目だろう?
それとも最上さん、何かいい案ある?」
「え、え、えーと…」

狼狽えている所申し訳ないけど、譲るつもり、全くないよ?
君が番組の構成の為とはいえ誰かにキスなんて…
俺の預かり知らない所で君の初めて、他の誰にも譲る気なんか無い。


「俺はモデル仲間にされ慣れてるから、ちゃんと出来てるか判定してあげるよ、
本番で失敗するの、君が困るだろう?」
「あ…はい…そうですね」
「ほら、やってごらん?」

そう言って促せば、君はおずおずと俺の隣へと移動してきた。

「そ、そ、それ、それでは、お…お言葉に…甘えさせて頂きます。」

君が俺の右肩に両手を添える。
ああ、最初から目を閉じてガチガチになってる、
これは…う~ん。本当に要レッスンだな。


ちゅうっ


「っ!??ほわあああ!!!!!」
「そんなに悲鳴を上げて離れなくても。」
「だ…だって…つ…敦賀さん、今、今のってぇぇ!!」
「唇の端だったね。」

だって少し動いたからね。
君が目を閉じていたから。

「な…なんでですかぁぁ!」
「はぁ……ねぇ、最上さん…」
「は、はい!!」
「最初っから目を閉じてたら、距離感だって分からないし、
今みたいに相手が動いたら頬にたどり着かないよね?それこそ唇にしてしまうかもしれない。」
「あっ、はい、おっしゃる通りです!」

目をパチクリさせて君は俺の言葉に納得する。

「だからある程度目を開けておいて、キスする瞬間だけ目は閉じる、OK?」
「は、はい!」
「もう一度やってごらん?」
「はっ、はい!失礼します!」

また君が俺の右肩に手をかける。
近付いてくる君を横目で見ながら、抱き締めたい衝動をこらえる為に、ぐっと腹に力を込めた。


ちゅうっ


「こ、今度はいかがですか?」

これで、俺が『幸せだよ?』なんて言ったりしたら、君は全力で離れちゃうんだろうね。

「さっきより良い感じだね。でもちょっと強いかな。」
「強い?…ですか?」
「感謝の為のキスだから今ので合格にしてもいいんだけどね、
でもこれは番組の企画で、しかも相手は日本人なんだから、
もっと軽く触れる程度でいいと思うよ。」
「なるほど!キスにも色々あるんですね!!」
「うん、場合によって使い分けないとね。」
「勉強になります!」
「それは良かった。ほら、もう一度やってごらん?」
「はい、よろしくお願いします。」

幾分か慣れてきた君が、もう一度俺の右肩に手をかけた。


チュッ


「こ…こんな感じでいかがでしょうか?」

三回目は頬に掠めるように軽いキス。
君が伺うように俺を見る。

最上さん、その上目使いは抱き締めたくなるから…不味いよ。

「いい感じだね、これなら収録も心配いらないね。」

にっこり微笑めば、君も安心したように笑顔を返してくれた。

「ありがとうございます。」
「いえいえ、俺としては役得だったしね。」
「な!!!」
「可愛い女の子から頬にキスされて、嫌がる男はいないでしょ?」
「か…か…かわいいなんて…」

ああ、また真っ赤になってる、これ以上は危ないかな…
少しごまかしておかないと…。

「最上さんはかわいいよ?見ていて飽きないし。家で飼ったりしたら楽しいだろうね。」
「って!もうっ、人を小動物扱いですか!!」
「くす…ごめんごめん、冗談だよ。」

君との距離を詰めたいけれど、
まだ詰められない。
でも誰にも渡せない。
だから今はこれが精一杯。

「まあいいです、敦賀さんにはいつも沢山お世話になってますから。私なんかでよろしいなら、
いくらでもからかって下さって構いません。」

だからってそんな無自覚な口説き文句言ってると、本気にするよ?


「そう?最上さんがそう言ってくれると嬉しいな、他に軽口をたたける人っていないんだよね。」
「う……そうなんですか?」
「そうなんです。」
「うぅ……お手柔らかにお願いします。」
「畏まりました、姫。」
「もぅ…敦賀さんってば。」

君が隣にいる今が幸せだから、もうしばらくはこのまま……

「あ、あの、敦賀さん、少しかがんで頂いてもいいですか?」
「うん?こうでいいのかな?」

少し体を倒して君に視線を合わせてみる。


「あ、はい、結構です。」

「どうかし…」

どうかしたの?と言いかけて、両肩にかかった君の手に思考が止まった。


ちゅっ


硬直している間に左頬へ感じる君の感触。君の体温。


「さ、さっきの…お…お礼です!
で、では私は時間なので失礼します!!」

耳まで真っ赤にして、全力で走り出していく君を呆然と見送った…。


今の感触…は……なんだ…?


いつかの俺のお礼返しって事か…。


だめだ…今夜は眠れない……。




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