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SS・蛹が蝶に孵るまで。11
こんばんは、そーやです。
気が付けば蛹も11話目。いや、正確にはもう何話目なんでしょうね、このシリーズと思って、目次数えてみたら31本目だったwww
いや、シリーズとしてくくってあるけど、実際には読み飛ばしてもOKエピソードがいっぱいなんで、微妙な感じですが。やはり処女作ゆえの迷走というか、見切り発車ゆえというか。まぁ良しとしよう。
そんなこんなですが、蛹~が一番好きですと言って下さる方もチラホラいらっしゃって、私はとても嬉しい今日この頃ですvv拍手お返事は明日させていただきますーvv蛹を打ったら精一杯だったよ・・・。

しかし・・・四月なのに寒さでキーボード打つ手が震えるって・・・どうなのw
蓮さま私を暖めてー←自重

そんなわけで追記よりどぞー!
開始前に一つ言っておくことが・・・・・・先に誤っておきます。正直すみません・・・orz



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蛹が蝶に孵るまで。11

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泣き崩れるマリアから、蓮が教えてもらった情報は、
『キョーコがBOX"R"の撮影中、スタッフ証をどこからか調達した主演女優のストーカーによって歩道橋から突き落とされたらしい』
…それだけだった。

ともすれば硬直し、動けなくなる己を心中で叱咤し、マリアを抱き上げ、駐車場へと向かう道すがら、蓮の思いを心得ている社は、すぐさま携帯電話を取り出してタレントセクションへと連絡を取り、容態は分からないままではあったが、キョーコの運ばれた病院の住所を知る事が出来、蓮は車を発進させた。

マリア自身、たまたまLME内を歩いていたら、血相を変えて走って行く椹とすれ違い、その異常な様子に「何かあったの?」と側にいた社員へ問い掛け、そしてその社員からの答えしか情報が無く、また、ローリィはすでに病院に向かった後だった為に、連絡を取る事もできず、一縷の望みをかけて、蓮が早く帰ってくるのを待っていたのだと言った。

蓮は、今日という日ほど、自分の車にカーナビが初期装備されていた事に感謝した事は無かった。
アナウンスに促されるままにハンドルを切り、嫌な予感に騒ぐ胸を落ち着かせようと深く呼吸した。

そして、皆が重く沈黙する中、車は静かに病院へと到着した。



――――――――――――――



「お姉さま!!」

病室を訪ねれば、エントランスで出会ったローリィの言葉通りキョーコは意識を回復させて上体を起こしていた。

「マリアちゃん?敦賀さんに社さんまで…」

真っ赤な目をして蓮に抱き上げられたマリアに驚きの表情を浮かべたキョーコは、そのマリアの様子で心配をかけた事を察して、申し訳なさげに謝罪を述べた。

「心配かけたのね…ごめんね、マリアちゃん。」

「お姉さまが謝る事なんてありませんわ!無事で…良かった……」

「もう、大丈夫だから泣かないで。敦賀さん、社さんもご心配をおかけしました。お二人とも忙しいのに…」

再び涙ぐみながらキョーコに駆け寄ったマリアの頬を拭いながら、蓮と社にも視線を向ける。

「いや…君が無事で本当に…良かった…。」
「本当、蓮の言う通りだよ、キョーコちゃんに何かあったらって、心臓が止まるかと思った…」

口々にキョーコの無事を喜ぶ言葉をかけながら、病室の椅子にそれぞれが腰掛けた。

「あ、京子さん、私はこれで失礼しますね、京子さんの鞄、今から局に取りに行って、明日の朝、私が持ってきますから。」

「あ、天宮さん、今日は本当にお世話になりました、スタジオの皆さんにもよろしく伝えて下さい…ご迷惑をおかけしますって……」

蓮達と入れ違いになるように千織が退室し、BOX"R"の共演者で新しいラブミー部員なんですというキョーコの紹介にそれぞれが頷いた。


「お姉さま…怖かったでしょう…私達を相手に無理に笑う事なんて無いんですのよ?」

蓮達が病室を訪れてからずっと笑顔を絶やさないキョーコにマリアが気遣わし気に声をかけた。
キョーコの身に起きた事態を考えれば、それほどに周囲に気を使い続けなくとも良いのではないかと思うのだ。

「え?」

「泣いたっていいんですのよ?私ならきっと怖くて泣いてしまいますもの!」

「やだ、そんなに心配しなくても大丈夫よ、マリアちゃん。私は大丈夫だから、ね?」

マリアのその言葉にも笑顔で"大丈夫"を繰り返すキョーコにマリアは胸に痛みを感じた。
何故こんなにもキョーコが耐えなければならないのか……。

「わ…私…」

「マリアちゃん?どうかしたの?」

「私、泣きすぎて喉が乾きましたわ!飲み物を買いに行ってきたいと思います!」

「え?マリアちゃん!?」

マリアの突然の行動に呆気に取らる一同であるが、それには構わず、マリアは社のスーツの袖を掴み社を立ち上がらせた。

「あ、ああ、じゃあ俺がついて行くよ。」
「私達、一番遠い売店まで参りますから暫く帰りません。」

「マリアちゃん?」
蓮にもマリアの意図が分からずに首を傾げた。

「蓮さまはお姉さまの頭を撫でてあげて下さいませ!怖い思いをした時は誰かに頭を撫でて頂くのが一番のお薬ですのよ!」

そう言ってマリアは社を引きずるように病室を出て行った。

「私…気を使わせちゃいました…?…すみません。」

マリアの行動にバツの悪い表情で頭を下げるキョーコに、蓮も切ない気分になる。
謝って欲しい事なんて、何もないのに・・・と。


「いや…君が謝る事は何もないだろう?君が悪いわけじゃない。」

二人きりになった病室で向かい合い、その視線と視線を合わせた。

「…でも…私なんかの為に皆さんに心配を…」

「ストップ。"私なんか"じゃない、最上さんだから心配するんだ。」

常よりも強く言い切った蓮にキョーコは少し驚きの表情を浮かべ、蓮を見つめる。

「…え…っと…」

「俺たちは君が大切なんだよ、とても、ね。」

その瞳は本当に真剣な色を宿していて、キョーコは思わず見入ってしまった。

「は…はい…ありがとうございます…。」

(……って…今…二人きり…なのよね…つ…敦賀さんが好きだなんて恐れ多い事に気づいちゃったのに…どんな顔をすれば…い…いや…普通よ…普通の顔をするの…)

蓮に見つめられている事で上がり始めた心拍数を落ち着かせるために別の話題を…とキョーコは慌てて話を変える。

「それはそうと、敦賀さんはまだお仕事の途中なんですよね?」

「え?いや、今日のスケジュールは終わったよ?どうして?」

蓮は突然のキョーコの言葉に首を傾げた。

「いえ、いつもならプライベートの敦賀さんはネックレスをされているのに、今日はそれをされてないようですので、まだお仕事があるのかな…って…」

キョーコの言葉にああ…と納得し、蓮は己のズボンのポケットを探り、ネックレスを手の中に取り出した。

「最上さんは俺の事、本当良く見てるよね…フフ。今日コレをつけてなかったのはね…鎖が切れてしまったんだ…ほら。」

留め具の片方の鎖が切れてしまったそれをキョーコの手に渡す。

「あ~、本当ですね。でもこれぐらいなら私にも直せますよ、良ければ明日お家に帰ってから直しましょうか?」

「本当?すぐに直るならとても助かるな、流石…最上さんは器用だね。」

いえ、それほどでもと笑い、蓮の手にネックレスを返そうとするキョーコの手を、蓮はそれごと上から握りしめた。

「つ…敦賀さん!?」

「これは君が預かっていて?」

「え、で、でも大事な物ですよね?」

辞退しようと慌てるキョーコに蓮は優しく微笑み

「うん、俺の宝物だから、今夜、君のコーンの代わりにこれを持っていて?」

「あ…あの…」

「とても…怖かったんだろう?」

「それは…」

「今なら君の涙は俺がコーンの代わりに吸い取ってあげられる、でも今夜ずっとそばにいてあげることは出来ないからね、…これは俺の代わり。」

蓮に握られた手が…熱い…。

「敦賀さん…」

蓮の言葉にキョーコがずっと堪えていた涙が堰を切るように零れ落ちる。
意識を取り戻してから努めて考えないようにしていたが、確かに…怖かったのだ。

ナツが憎いとぶつけられる思念…
投げかけられた言葉が胸をえぐるように刺さった。
自分の魂の欠片の否定…、お前は悪魔だと…言われた言葉は、お前は誰からも愛されることなど無いのだと聞こえたソレ。

あの瞬間、恐怖で竦む体と心は…どうすることも出来なかった。
そして、どうすることも出来ないその状況で、思わず助けを求めてよぎったのは…蓮の姿だった…。

他の誰よりも蓮に助けを求めた……。キョーコは、自分が誰よりも一番に蓮を思っていた事に気づいてしまった。


その蓮が今、目の前にいて、自分を優しい目で見つめてくれている。

「今日はよく頑張ったね。」

そう言って、蓮はいつかのようにキョーコを抱きしめて頭をポンポンと撫でた。


その温もりに、キョーコはこの日、やっと涙を流すことができた。



……………………………………


翌日、一通りの検査をすませたキョーコは、その日の夕方には蓮宅へと…現在の彼女の家へと帰宅した。

「ただいま帰りました。」

勿論、蓮は仕事中であるために返事は無い。
けれど、ただいま、と蓮の部屋で言う一言はキョーコに小さな幸せを感じさせた。

キョーコの部屋となっているゲストルームに鞄を置いて、手芸用具の入ったケースを持ち出した。

そして、手の中に蓮の大切な物…蓮のネックレスを取り出し、まじまじと見つめる。

(こんな大切な宝物を貸してくれたって事は…敦賀さん、私の事を大事にしてくれてるって事なのよね…)

蓮を思うとこうも動悸がして頬に熱を感じるようになったのはいつからだっただろうか…
軽井沢でコーンに魔法をかけたあと…?
それともバレンタインにゼリーを渡したあと…?
否…それよりも前からだったかもしれない。

(でも…これ以上を望むのは…きっと分不相応…よ…。)

蓮に好きだと言えば…もうあの優しい顔を向けてもらえないかもしれない…

(私が誰かの一番になる…なんて…望んじゃいけないわ…。)

振り払われた手…捨てられた自分…。
この手は誰かと繋げるものではないのだ…きっと。

『ここで大切な人は作れない』
そう言った時の蓮の顔が浮かぶ。

(敦賀さんにいらないと言われるまで…そばにいられれば…後輩として、役に立てるのなら…)

『…どこにいても』
とても、胸が締め付けられる顔だった…。
(敦賀さんが大切な人を作る邪魔をしちゃ…いけない…幸せになってもらわないといけないの…)

『彼女は高校生なんだ…』

(敦賀さんには好きな人がいるんだから…)

この思いを封じ込める事を誓いながら、キョーコは蓮のネックレスの鎖を自分の持っていた金具で修理し…
そしてそれを胸元で握りしめた……。

「・・・敦賀さんが・・・好き・・・です・・・。」

その言葉は…誰の耳にも届く事なく、ひっそりと…空気に溶けた。




……………………………………



「ありがとう、とても助かったよ。」

キョーコの直したネックレスを受け取り、蓮は身につけた。

「いえいえ、これぐらいお安いご用ですから!」

ニコニコと笑顔で蓮と向き合うキョーコに蓮も和み、穏やかな雰囲気が流れる。

「今日はしっかり休養できた?」

「そうですね、のんびりご飯を作って、台本を読み込んでいました。」

お料理している時って、落ち着くんですよね、と笑うキョーコに蓮が微笑む。

「今日のご飯もとても美味しかった、最上さんがいないと俺、もう普通のご飯は食べれないな。」

「私のご飯でよろしいなら、いつだってどこにだって作りに伺いますよ?」

冗談みたいに笑ながら、けれどそれは本心。
蓮の為なら、いつまでだってご飯を作ってあげたいと思っている。

「ふふ、最上さんがいてくれて、うれしいな。」

「いえいえ!お役に立ててとてもうれしいです!」

「そういえば明日から琴南さんとのシーンの撮影に入るね、かなり楽しみだろう?」
「そうなんですよー!でもモー子さんとまさか敦賀さんの取り合いをするなんて思ってませんでした。」

「あぁ、耀子の恋のライバルだものね。」
「最初お話を伺った時はモー子さんの役はどうなるのか教えられていませんでしたから。」

「後半に入って少し脚本の変更もするっていう話だしね、これからが楽しみだ。」
「はい!どんな役を演じさせてもらえるんでしょうね。」

明日からの撮影の話に盛り上がる二人の空間に、邪魔が入ったのは神の悪戯だったのだろうか・・・。

「あれ?電話だね、珍しい、家の電話が鳴ってる…。」

そう言って、蓮が家の固定電話を取り上げた。

(いつもかかってくるのは携帯電話なのに、誰からかしら・・・?)

「・・・え?・・・な、んでこの番号が・・・」

電話に出た蓮はかなり戸惑っているようだ。

(??誰・・・?)

「・・・あぁ・・・社長の仕業なんですね・・・・・・分かりました。・・・最上さん。君に電話。」

受話器を外し、蓮はキョーコを手招きして呼びよせる。

「え?」

「俺はトレーニングルームでしばらくいるから、ゆっくり話すといい。」

そう言って蓮は受話器をキョーコに渡し、リビングを出て行ってしまった。
キョーコに電話、と言ったという事は、電話の主はキョーコがここにいることを知っている誰か、ということだ。
一体・・・誰だ・・・?戸惑いながらもキョーコは受話器を耳にあてる。

「あ、あの・・・どなた・・・ですか?」

『もしもし、キョーコか?私だが・・・?』

「せ・・・先生!!!!!?」

電話相手の声に瞬時に相手が誰かを悟り、キョーコは驚きの声を上げてしまった。

『久しぶりだな、元気にしていたか?』

「は、はい!!ど、どうされたんですか一体!!?」

何故、クー・ヒズリが敦賀蓮の家にキョーコ宛で電話をかけてきたのか、
蓮の言葉を察するに、社長の仕業なのだろうということは理解できたが、キョーコには用件が分からなかった。


『ボスから話を聞いたんだがな、キョーコ。』

「はい・・・なんでしょうか!?」

『私はとても怒っている。』

「・・・え・・・?」

電話相手の言葉に、キョーコは呆然とした。


――――――――――――――




12へ続きます。
尺と根性が足りずここで切れた・・・す、すみません・・・orz
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